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知能とは何か、IQテストの正確性について

IQテストの正確性

「私の知能指数は150」などとまれに自慢する人がいますが、まず、150という高得点は普通ありえません。
そのような高得点が出たということは、古代の比率IQの数字だと思われます。
たぶん、かなり古い鈴木ビネー式や田中ビネー式の知能テストでしょう。
知能テストの器材は1セット20万円ほどもする高価なもので、予算の少ない相談所などは、新版が出たからと簡単には買い換えられず、古い知能テストを使い続けています。

古い知能テストには問題があります。
IQ算出の基準となる平均得点が低すぎるので、高いIQが出てしまうのです。
相談所関係ではこれを好都合とみなす所もあったりします。
精神遅滞を疑うほどの低得点はめったに出ないので、児童をフォローする必要がなくなるからです。


フリン効果といって、知能テストの平均値が世界的にどんどん上昇する現象があります。
我々は世代を経てどんどん賢くなっているようにみえます。
しかし、それは環境的要因や見せかけの上昇です。
このフリン効果はかなり顕著で、20年でIQが15点くらい上昇します。
つまり、20年前の知能テストを使うと、平均値が115点になります。
古い知能テストは古代の比率IQを使っているだろうし、150点くらい出ても不思議ではありません。
少しIQが高い程度でしょう。

例外は、知能テストが最新のもので、その人が知能テストというゲームでの高得点者であると自覚している場合だけです。
150点は100点から3標準偏差以上離れた高得点で、0.1%以下という超高得点です。
一般的に知能テストは上限値、下限値近くでは誤差が大きいので、細かい数字は意味がありません。
ただ、高得点は事実といえます。

知能テストの内容は、ビネの時代から根本的に変化していません。
小学校、中学校での常識的な問題集です。
したがって、知能テストでの高得点は、初歩的な常識問題を非常に素早く解く能力に恵まれていることを意味します。
それ以上のことは実はよくわからないのです。
ある程度、成熟した大人なら、そのような能力は減少していくでしょう。
現在の知能テストは人間の知能のごく一部しか測定できないのです。


知能とは何か

1921年に「知能と測定」と題した有名なシンポジウムがありました。
企画したのは心理測定で有名なサーストンで、その内容をまとめた本には様々な学者の意見がかかれています。
例えば、
ソンダイクの意見は知能とは、

「真実、もしくは、事実の観点から見て正しい反応をする能力」

といい、定義だけ見ると、抽象的に感じますが、ソーンダイクの立場は、非常に実際的、現実的です。
彼は、基本的に機械論的、実験的なアプローチをし、研究テーマは、動物の学習実験から、人間の学習、価値観、興味、態度、社会など、多岐にわたりました。
学習理論化として有名で、結合主義で知られています。

次に、ターマンの意見は、

「抽象的思考を遂行する能力」

数学や理論物理学など、抽象的なことができる人は頭が良さそうです。
しかし、人間の能力はそればかりではありません。
社会科や国語などは具現能力が必要で、抽象的思考しかできない人は、このような科目は不得意でしょう。

最後にシンポジウムの企画者、サーストンの意見は、

「知能には少なくとも3つの要素がある。本能的適応を抑制する能力、本能的適応をイメージによる経験で修正する能力、本能的適応を社会的に有利な行動に変更する意志力、である。」

サーストンの定義はわかりにくいですが、知能は動物的本能を抑制し、コントロールする意志だと考えたのでしょう。
別の場所では、知的行動には、抑制力、分析力、努力という3つの相があると言い換えています。



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