爆発の画像
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ユナボマーとは、事件内容

ユナポマーは、コンピュータを、そしてコンピュータエンジニアを憎んでいました。
世界の破滅に導く危険きわまりないやつらだとも考えていたのです。
ユナポマーは手遅れにならないうちに行動を起こすことにしました。
地球があの恐ろしいコンピュータ独裁者の手に落ちて壊滅する前に。
FBIのモンタージュ写真によると、彼はわりあい長身で、巻き毛のブロンドに、薄い口髭を生やしていました。
こんなありふれた容貌の下に、80年代初頭から全米を震撼させた凶悪犯が潜んでいたのです。

ユナポマーの事件は「1987年」ソルト・レイク・シティでの話からになります。

ジャック・テンプルトンは、大手流通企業の情報処理課に勤務する上級管理職でした。同僚たちと同じように、彼もまた17時30分ごろ、オフィス近くの広いパーキングをあとにしました。
彼らは、遅くまで残業するよりは、早朝から仕事にかかるのを好んだのです。

彼は警備員に軽く合図すると、国道80号線に乗り中心街を目指しました。
独身のジャックは2間のアパートに住んでいました。
広いアパートで、きわめて機能的に作られています。
だからこそ2年前ここに決めたのです。

アパートの郵便受けはあふれかえっていました。
いつものちらし、ダイレクトメール、銀行の取引明細書、それに郵便配達員からのお知らせ。

「大きめの小包が届いていますので局まで取りに来てください」

「妙だな」と彼はつぶやいた。
心当たりがなかっのです。
ソルト・レイク・シティには十分すぎるほどブティックもショッピングセンターもそろっているので、通信販売はごくたまにしか利用しませんでした。

白のビュイックにとって返すと、彼は3キロ離れた郵便局に向かいました。
「サンフランシスコからです」
窓口から小柄なブロンドが応対しました。
彼の好みにピッタリの女性でした。

「サンフランシスコからだって?」
意外だった。
「いったい誰が送ってきたんだろう」

なにも注文していないのに荷物を送りつけてくる通信販売会社がいるが、これもその口じゃないかとジャックは疑っていたのです。
宛て先は間違いなく彼のものでした。
ですが、差出人の連絡先がないのが奇妙だったのです。
むしろ不快そうな面持ちですぐ表に出ると、歩道の先に停めた車に乗り込みました。
爆発が起こったのは、彼が小包を開けようとしたときでした。

警察はごくわずかの手がかりしかつかめませんでした。
郵便局の女性職員の証言は、なんの役にも立たなかったのです。
小包のほうは受取人名が書かれた表の部分も含めて、すべて吹き飛んでしまっていました。
被害者にはこれといって問題はなかったし、もめごとを起こすような人間でもない、というのが会社や隣人の証言でした。
そして一週間もたたないうちに、事件は処理済みとされたのです。


次に1994年12月 ニューヨークにて。

トーマス・モートンは19時きっかりに家に戻りました。
彼が働く広告代理店、レイズ・アンドアソシエイツ社には、ほとんど自由な時間などありませんでした。
顧客は口うるさく、人手不足で、彼はたえず進行中の件すべてに目を配っていなければなりませんでした。

「あら、もう帰るの」
と同僚のエリザベス・ケラーが皮肉った。
「あなた、パートになったの?」
「いや、今日は妻の誕生日でね」
そう答えるとトーマスはかばんをつかんだ。

自宅の小さいデスクの上に、山と積まれた郵便物に混じって、小包がデンと置いてありました。
ありふれた茶色の紙の包装に、安物のひもがかけられています。
レキシントン・ヴェニーにある豪華なアパートの一室を改造した書斎は、書類やらマーケティング関係の専門書やら、写真やら、広告キャンペーンのポスターやらでひっくり返っていました。
この散らかりように、妻のアンナはとっくに愛想をつかしていました。
トーマスの勧める代理店が新しいキャンペーンを張るときは、決まってこういうものが送られてくるからです。

「中身はなあに?」
廊下の奥の広い寝室からアンナは大声で聞いた。
「またあれかしら・・・」
全部言い終えないうちに彼女は恐怖の悲鳴をあげた。
轟音が鳴り響くと同時に、家じゅうの窓という窓が木っ端みじんに吹き飛び、彼女は嫌というほど壁にたたきつけられてました。
が彼女にとってそれは不幸中の幸いだったのです。
というのも隣人の通報で駆けつけた消防士が目にした光景は、ホラー映画の一場面を彷彿とさせるものだったからです。
爆発で黒くなった血まみれのトーマスの残骸が部屋中に飛び散っていました。

「やつの仕業かな」
消防士の数分後に到着したFBI捜査官、フィル・ブロンチェッティが聞いた。

「だろうな。操作は難航しそうだ。プロの手口だってことは一目瞭然だからな」
と相棒のエルマー・アロンは答える。
警察がユナポマーと呼ぶ凶悪犯を追跡する、特殊部隊のメンバーです。

この舞台はFBIのスペシャリストと、財務省のアルコール・たばこ・火器局、および郵政公社からそれぞれ選ばれた代表で構成されており、明確な任務を負っていました。
すなわちこの連続犯にこれ以上の犯行を許さないことです。
最初の事件は、1978年5月イリノイ州で発生した。
以来これまでに合衆国八州で死亡者2名、重軽傷者23名を数えていました。
連邦警察がまとめあげた分厚い事件簿には、ユナポマーの仕業と目される犯行がすべて徹底的に調査報告されていました。


1982年5月5日、テネシー州ナッシュヴィルでヴァンダービルト大学の情報科学部の秘書が木箱を開けたとたん、爆発しました。
この箱はその2日前ユタ州のプロヴォで投函されていました。
彼女は軽症を負っただけで済みました。

1982年7月2日、バークレーのカリフォルニア大学で、カフェテリアに置かれていた金属製の小さな包みを情報科学部教授が拾い負傷しました。

1985年5月8日、ワシントン州オーバーンで、ボーイング社の社員が爆弾を発見し、爆発を未然に防ぎました。

1985年5月15日、ユナポマーはまたまたカリフォルニア大学を標的にしました。
場所はコンピュータ教室。爆発により男子学生が指を4本と部分的に視力を失う重症を負いました。

1985年12月11日、カリフォルニア州サクラメント。
情報機器販売店の店長ヒュー・スクラットンは、店の入り口前に置かれた木箱を拾い、即死しました。
金属の破片が心臓を貫いていたのです。

1993年6月24日、コネチカット州ニューヘブンのエール大学。
情報科学部の教授が受け取った小包を開いたとたん爆発が起こり、重症を負いました。
警察は小包が6月18日にサクラメントで投函されたことを確認しています。

1994年12月12日。ワシントンで
全国紙、地方紙、雑誌、ラジオ、テレビなどマスメディアに向け
1.変則的なもしくは不審な小荷物は疑うこと。
2.差出人が本人に間違いないことを確認すること。
3.科学性物質である恐れがあるので、不審な染みには用心すること。
4.料金超過の小荷物に注意すること。犯人は郵便局に出入りすることを嫌う人物である
と警告しました。

1996年4月、元大学教授セオドア・カジンスキーがユナポマーの正体であると特定し、身柄を拘束しました。
彼が住んでいた粗末な小屋からは爆弾製造のための数々の証拠資料が発見されたのです。



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